- 勉強時間が足りない
- 長時間の集中力が続かない
- 勉強だけするのは気分が乗らない
音楽や動画を視聴しながらの勉強は、学習効率や集中力の低下といった悪影響が懸念されます。本記事では、ながら勉強のメリットとデメリットや、ながら勉強で学習効率が上がる教科と上がらない教科を解説します。
学習効率の上がるながら勉強を実践すると、時間の節約や集中力の維持に効果的です。ながら勉強を日常の勉強にうまく取り入れて、学習効率の上がる方法で勉強しましょう。
「ながら勉強」とは他のことをしながら勉強すること
「ながら勉強」とは、他の活動をしながら勉強をする学習方法です。テレビを見ながらや音楽を聴きながら、おやつを食べながら行う勉強を指します。効率的な時間の使い方ができたりリラックス効果が期待できたりする一方で、学習効率の低下なども指摘されています。適切な方法でのながら勉強が大切です。
視覚や聴覚などの複数の感覚を使って情報を取り込むと、記憶に残りやすくなる効果も期待できます。適切なながら勉強は、学習の効率を高めるだけでなく楽しみながら勉強を進められます。
ながら勉強のメリット
ながら勉強は時間を有効に活用できる学習方法です。忙しい日々の中でも学習機会を見つけ出し、無駄な時間を削減して勉強に充てられます。ながら勉強のメリットは以下のとおりです。
- 時間を効率的に使える
- リラックスして勉強できる
- モチベーション維持につながる
時間を効率的に使える
ながら勉強は勉強以外のことをしながら勉強する方法です。時間を有効に活用できる点がメリットに挙げられます。移動中や家事をしながら勉強を進められ、限られた時間の中で勉強時間を増やせます。通勤時間や待ち時間、休憩時間を利用して、短い時間でも勉強に取り組むことが可能です。
リラックスして勉強できる
音楽を聴きながら勉強すると、リラックスして勉強に取り組めます。勉強中にリラックスすることは、学習効果を高めるのに役立ちます。勉強が単調で退屈なものに感じたときは、ながら勉強でリラックスしながら勉強すると、集中力を高めることが可能です。
ストレスを感じずに勉強に取り組む方法は、記憶の定着にも効果的です。リラックスすることで焦りやプレッシャーが軽減し、長時間にわたる勉強を持続しやすくなります。
モチベーション維持につながる
ながら勉強で適度な刺激を受けると、継続的なモチベーションを保つことが可能です。勉強以外の活動を取り入れることによって、学習に対する興味を刺激し勉強が続けやすくなります。趣味などの楽しい活動を勉強と組み合わせると、学びの意欲を高めるのに効果的です。
ながら勉強のデメリット
ながら勉強は時間を有効に使いたい場合におすすめですが、デメリットもあります。ながら勉強の主なデメリットは以下のとおりです。
- 学習効率が悪くなる
- 本番で実力を発揮できない可能性がある
学習効率が悪くなる
ながら勉強のやり方によっては、勉強のためのリソースが他に割かれ、学習効率が悪くなります。複数の作業を同時に行うことで注意力が分散し、勉強内容の理解度が低下する可能性があります。複数の作業を同時にこなすマルチタスクはミスを誘発する傾向が高いです。
動画を見ながらの勉強は、動画を見るというタスクと勉強するというタスクの2つを同時に処理しています。動画視聴というタスクによって、主目的である勉強のためのリソースが奪われている状態です。勉強というシングルタスクだけに集中している状態と比較すると、生産性が低くなる恐れがあります。
勉強において視覚や思考は必須であり、視覚や思考にリソースを割く行動は、ながら勉強には向きません。勉強において多く活用されるのは視覚です。勉強中は問題集や過去問といった文字媒体を見ながら思考します。映画や動画、テレビを見ながらのながら勉強は、視覚を勉強以外に使うことになるため、避けましょう。
ラジオや配信のような言語情報を含んだ音源を聴く方法も、ながら勉強には不向きです。映像を見ないため視覚は使いませんが、思っている以上に思考のリソースを割いています。思考のリソースを勉強に割けないと、学習効率は低下します。記憶の定着ができず、復習する際に時間がかかる場合があるため注意しましょう。
時間を有効活用したながら勉強のつもりが、時間のロスにつながる可能性もあります。ながら勉強はやり方によっては、学習の効果を損なうことにもつながります。
本番で実力を発揮できない可能性がある
本番の試験などの集中が必要な場面で、ながら勉強の習慣が影響し、実力を発揮できない可能性がある点もデメリットです。ながら勉強の習慣が作用し、ながら勉強ができない状況では落ち着かなくなる恐れがあります。音楽を聴きながらでないと集中できなかったり、無音の環境だとかえって気が散ったりするなどが挙げられます。
入試などの本番や学校のテストでは、音楽を聴きながら受けることはできません。ながら勉強に慣れすぎて、いざという時にパフォーマンスが低下しないよう注意が必要です。
ながら勉強に向いている教科
ながら勉強に向いている教科は以下のとおりです。
- 数学
- 理科
数学
数学の勉強において、ながら勉強は学習効果を高められる可能があります。計算練習のような基礎的な問題演習の反復は、ながら勉強をしても気が散ることが少ないです。音楽を聴きながら機械的に計算を解いたり、運動しながら暗算したりするなどが、ながら勉強の例として挙げられます。
しかし複雑な証明や深い理解が必要な問題は、ながら勉強には不向きです。集中力や思考力が要求される場合は、他の活動が集中を妨げる可能性があります。
理科
理科も基礎的な問題を機械的に解く場合には、ながら勉強が適しています。気が散ることが少なく、学習の妨げになりにくいからです。実験手順を覚える際に、音声教材を聞きながらイメージする方法も効果的です。理科のポッドキャストやオーディオブックを使って耳から情報を得つつ、他の作業をする方法もあります。
自然現象を観察しながら理科の概念を理解することも、ながら勉強に最適です。散歩しながら植物や気象の変化を観察し、理科の知識と関連付けると、科学的原理を視覚的に学べます。歌詞のない音楽を聴きながら、理科に関する動画を見ながらの勉強は、理科のながら勉強に適しています。
ながら勉強に向いていない教科
ながら勉強に向いていない教科は以下のとおりです。
- 国語
- 英語
- 社会
国語
国語はながら勉強に向きません。ながら勉強をすることで注意力が散漫になり、文章の深い理解が難しくなるためです。国語は難しい言葉や長い文章、複雑な内容を読んで、内容を正しく理解する読解力と文章理解力が必要です。読解問題に求められる文章理解と文脈の把握は、ながら勉強によって妨げられる可能性があります。
国語の学習では、文章のテーマや筆者の意図を考えたり、論理的に考察したりすることが必要です。複雑な思考作業は他の活動と並行して行うと、効率が低下します。国語では、ただ読むだけでなく自分の考えをまとめて書く練習も大切です。自分の頭の中で考えを整理し、文章にする作業は、集中して取り組む必要があります。
英語
英語のリスニングやスピーキングの練習は、言語の微細な音やニュアンスを聞き取ることが必要です。ながら勉強をすると細かい部分に注意を払えず、学習効果が薄れてしまいます。英語の発音やリズムを正確に習得する場合にも、ながら勉強は弊害を及ぼす場合があります。
英語でながら勉強をする場合は、通勤や通学の際に聞き流しの英語音声を聞くなどの方法に留めましょう。電車やバスでの移動時に英単語を見るなど、他の作業がメインの場合に取り入れる程度がおすすめです。
社会
社会のような暗記が中心の教科には、ながら勉強は向きません。歴史の年表や政治の仕組みなど、細かいデータを覚える必要があるからです。用語や概念の関連性の把握には、情報の理解と記憶が求められますが、ながら勉強により記憶の定着が妨げられます。ながら勉強は暗記にはあまり効果を発揮しません。
分析力や論述力を養うためには深い思考も必要です。長文の読解や複雑な社会現象の分析には集中力が欠かせません。ながら勉強では注意力が散漫になり、理解が浅くなったり混乱を招いたりする場合があるため、社会の勉強には適しません。
おすすめの「ながら勉強」のやり方
効率的に時間を活用するために、ながら勉強はおすすめです。勉強の質を落とさず、日常生活の中で効果的に学習を進める方法を取り入れましょう。おすすめのながら勉強の方法は、以下のとおりです。
- 音楽を聴きながら
- 歩きながら
- お風呂に入りながら
- においをかぎながら
音楽を聴きながら
音楽を聴きながら勉強すると、集中力を高められ、リラックスした状態で学習を進められます。特にクラシック音楽や自然音はリラックス効果が高く、心地よいBGMとして最適です。音量は控えめに設定し、歌詞のないインストゥルメンタル音楽を選ぶと、勉強の邪魔になりません。
音楽によって周囲の雑音が遮断されるため、勉強に集中しやすくなることもあります。しかし音楽に慣れすぎて、無音の環境では勉強できなくなったという体験談もあるため注意しましょう。ジャンルを気にせず勉強中ずっと音楽をかけ続けるのは、かえって非効率的です。
音楽をかけるときは、作業用BGMや勉強用プレイリストの活用がおすすめです。SpotifyやYouTubeには勉強用BGMが多数あります。人によって集中できる音楽が異なるため、いろいろ試して自分に合う音楽を見つけましょう。
歩きながら
歩きながらなどの体を動かしながらの勉強は、日常生活に簡単に取り入れられ、健康と学習の両方を充実させられます。軽い運動をすることで脳が活性化し、記憶力や学習能力のアップが期待できます。特に歩きながらの勉強は、移動時間の有効活用にも効果的です。
ポッドキャストやオーディオブックを聴きながら歩くと、気分転換をしつつ新しい知識を得られます。ただし、集中しすぎて転んだり事故に遭うことがないよう、安全には十分に注意してください。
お風呂に入りながら
生活の中にうまく勉強を取り込むと、忙しい日々でも時間を有効に活用できます。お風呂に入りながらの勉強は、リラックス効果だけでなく集中力を高めることが可能です。体を温めると脳が活動的になり、学習効果が見込めます。お風呂での勉強には以下の方法が有効です。
- 防水機能のついたタブレットやスマートフォンを使用して電子書籍を読む
- オーディオブックやポッドキャストで新しい知識を耳から吸収する
- 覚えたい事項を防水メモに書いてお風呂の壁に貼り付ける
- 浴槽につかりながら暗記カードを見る
- お風呂用のホワイトボードを使用して問題を解く
集中しすぎて長時間お風呂に入ると、のぼせるなどの危険があるため注意しましょう。リラックスして、隙間時間を活用する気持ちで取り組むのがおすすめです。
においをかぎながら
勉強をしながら香りを楽しむと、集中力の向上やリラックス効果が期待できます。アロマや香りの良いキャンドルを使用すれば、快適な学習環境を作り出し、効率的な勉強が可能です。特定の香りを嗅ぐことは、記憶の定着を助ける効果もあります。特定の香りを試験前にかぎながら復習するのがおすすめです。
香りがきっかけで過去の記憶がよみがえる「プルースト効果」は、暗記法にも使用されます。嗅覚は五感で唯一脳の感情をつかさどる部分に直接つながっており、記憶にも残りやすいと考えられています。
まとめ
ながら勉強とは、他の活動をしながら勉強をする方法です。ながら勉強には、時間を有効に使いつつ、リラックスして学習できるメリットがあります。長時間勉強する際のモチベーション維持にも効果的です。 うまく活用すれば、学習効率の向上が期待できます。
ながら勉強は、やり方や教科によって勉強効率が下がったり、本番で実力を発揮できなかったりするリスクも考慮しましょう。計算問題が多い数学や理科は、ながら勉強に適しています。国語や英語、社会などの深い思考を要する教科には向きません。
ながら勉強の効果的な方法は、音楽を聴きながらや歩きながらの勉強などが挙げられます。それぞれの学習スタイルや目的に合わせて、柔軟にながら勉強を取り入れましょう。
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