音楽を聴きながらの自転車の運転はリラックスしたり気分を高めたりする一方、交通違反のリスクもあります。
自転車運転時のイヤホン使用は特定条件下において交通違反となりますが、安全対策を講じれば問題ありません。本記事では運転時のイヤホン使用について、違反となる条件と安全に楽しむ方法を解説します。記事を読むことで、交通ルールに悩まず音楽や通話が楽しめます。
ぜひ記事を参考にして、好きな音楽を聞きながら自転車を楽しんでください。
自転車でのイヤホン使用は違反となる可能性がある
イヤホンを使用しながら自転車を運転した場合の規則や罰則について、以下の2項目で解説します。
- 自転車運転における道路交通法の規則
- 自転車でイヤホンを使用したときの罰則
自転車運転における道路交通法の規制
自転車は道路交通法にて「軽車両」に位置付けられます。自動車と同じく車両として扱われるため、道路交通法を守らなくてはいけません。道路交通法を遵守することは、自分や他の通行人の安全を図る上で重要です。
自転車運転中のイヤホン使用は、周囲への注意が散漫になり安全運転義務を損なうため、道路交通法第71条で規制されています。過去には歩行者の存在に気付かず、衝突を起こし死亡させる事故も発生しています。
2017年12月に神奈川県川崎市で、電動式自転車に乗りながらスマホ操作をしていた20歳の女子大生が、歩行中の77歳の女性と衝突、歩行者が死亡するという事故が起こった。
道路交通法ではイヤホン使用のほか、以下に挙げる行為も規制の対象です。イヤホン使用と違反が重複すると、罰則が厳しくなる可能性があります。
- 2人乗り
- 騒音運転
- 無灯火運転
- 酒気帯び運転
- 携帯電話の使用
- 荷物の過剰な積載
違反の条件を理解することは、自転車利用時の安全意識向上に不可欠です。
自転車でイヤホンを使用したときの罰則
2024年8月現在、イヤホンを使用しながら自転車を運転することに明確な罰則はありません。ただし安全運転義務に違反するため、自治体によっては過料の対象となります。周囲の音が聞こえない状態で自転車を運転することは通行人や他車両の安全を脅かすため、極めて危険です。
2024年5月に可決・成立した改正道路交通法では、2年以内の自転車への青切符の導入が決定しました。改正道路交通法の対象となるのは、16歳以上の利用者です。イヤホンを使用しつつの自転車運転に過料が導入されるため、今後は運転により注意が必要です。
万が一事故を起こした場合は、重大性に応じて刑事責任を問われます。ケースによっては自転車運転者講習を義務付けられる可能性もあります。日頃から危険を想定しつつ運転することで、事故を回避可能です。
自転車でのイヤホン使用が違反になるケース
イヤホンにはさまざまな種類があるので、以下3パターンに分けて解説します。
- 両耳イヤホン
- 片耳イヤホン
- 骨伝導イヤホン
両耳イヤホン
両耳イヤホンは外部音をほぼシャットアウトするので、重要な音が聞こえにくくなります。視覚にのみ頼った運転となり事故を起こす可能性が高まるため、運転時の使用は大変危険です。
道路交通法でも、両耳イヤホンを使用しての自転車運転は安全運転義務違反です。着用した状態で走行すると、取り締まりや指導の対象となる恐れがあります。以下の都道府県の条例では単純な指導のみならず、過料を科せられる可能性もあります。
- 東京都:東京都道路交通規則
- 埼玉県:埼玉県道路交通法施行細則
- 神奈川県:神奈川県道路交通法施行細則
安全運転を意識して事故を防ぐためにも、両耳イヤホンの使用は控えるべきです。
片耳イヤホン
自転車に乗る際に片耳イヤホンを使用する人は多くいますが、安全への配慮に注意が必要です。片耳とはいえ音量が大きいと周囲の音が聞こえにくくなり、注意が散漫になります。特定の条件下では片耳イヤホンでも交通違反になる場合もあるため、注意が必要です。
安全性を高めるには、外部音を取り込めるイヤホンを選択しましょう。ワイヤレスイヤホンを片耳で使用する場合、落下や紛失のリスクにも注意してください。ただし聴覚障害者の使用については、安全対策の一環として特例が認められるケースもあります。
骨伝導イヤホン
骨伝導イヤホンは耳の穴を塞がずに周囲の音が聞こえるため、安全性が高いとされています。道路交通法にも骨伝導イヤホンについての明確な規制はないので、自転車を運転しながら使用しても問題ありません。ただし地域によっては自転車でのイヤホン使用そのものが条例で禁止されている場合があります。
自転車に乗りながら音楽を楽しみたい場合、都道府県や自治体のルールを確認してから行いましょう。夜間の走行は聴力に頼る部分が大きく、総合的な安全対策は必須です。いかなるイヤホンを使っていても、周囲の安全に気を配りましょう。
イヤホン使用が原因の自転車事故の責任
イヤホンを付けたままの自転車走行が起因となる事故が発生した際の、法的責任と保険の重要性を以下の2項目で解説します。
- 事故発生時の法的責任
- 事故発生時の自転車保険の補償内容
事故発生時の法的責任
イヤホンの使用に関係なく、自転車事故を起こした際は法的責任が生じます。違反行為の有無や過失割合で責任の度合いが異なり、重大であれば刑事罰を受ける可能性が高いです。相手の怪我や所有物の損害の度合いにより、民事責任が発生する場合もあります。
加害者と被害者の双方に過失がある場合は、過失相殺の原則により賠償金額が調整されることが一般的です。自転車事故に関わる法的責任は複雑で、事例により異なります。万が一に備えて自転車保険に加入したり安全な運転を心がけたりすることは、リスクを抑える最善の策です。
事故発生時の自転車保険の補償内容
万が一の自転車事故に備えとして、自転車保険に加入しましょう。事故内容に応じて、以下の損害金に保険を適用可能です。
- 怪我の治療費
- 慰謝料
- 修理費
- 弁償費用
死亡事故や重い障害が残った場合は、死亡保険金や後遺障害保険金が支払われる保険もあります。オプション次第では自転車盗難や自損事故も保険の対象にできます。ただし保証内容は保険により異なるため、自身に合った保険を選ぶことが重要です。
保険の適用には免責が発生する場合もあるので、事故が起こった際は状況や責任の程度を考慮する必要があります。保険に加入していれば万が一の事故にも備えられ、自転車の利用を安心して楽しめます。
自転車に乗りながら音楽を聴く方法
自転車に乗りながら音楽を聴く方法はいくつかありますが、代表的な4つの方法を解説します。
- スマホから直接流す
- ネックスピーカーを使用する
- Bluetooth対応スピーカーを使う
- スピーカー付きサイクルヘルメットを着用する
スマホから直接流す
スマホの内蔵スピーカーから直接流すことは、もっとも手軽に音楽を楽しむ方法です。再生用機器をいっさい使わないため、道路交通法に反するリスクはほぼありません。スマホホルダーを使ってハンドルに固定し、スマホの位置を安定させると良いでしょう。
安全に配慮して音量は控えめにし、環境音が聞こえるように調整が必要です。画面操作は自転車を停止させているときに限り、運転中の操作は避けてください。音楽アプリやプレイリストを事前に設定しておくと、音楽を安全かつスムーズに楽しめます。
ネックスピーカーを使用する
ネックスピーカーは、首にかけて使用するスピーカーです。耳を塞がないので運転中も周囲の音を聞き逃さず、周りの状況を把握可能です。周りに配慮しつつ、運転中でも快適に音楽を楽しめます。軽量かつコンパクトで持ち運びやすく、自転車に乗る際に邪魔になりにくい点もネックスピーカーの大きな魅力です。
多くのネックスピーカーではBluetooth接続によりワイヤレスで音楽を再生可能です。音量調節もスピーカー単体でできるものが多く、運転中に音量調整が手軽に行えます。周りに配慮し、音量が大きい場合は控え目に調整すると良いです。
Bluetooth対応スピーカーを使う
Bluetooth対応スピーカーとスマホを接続すれば、自転車に乗りながら音楽を楽しめます。イヤホンと違い耳を塞がずに音楽を聴けるため、自転車を安全に運転できます。通話機能を利用できるモデルなら、運転を阻害せずに通話が可能です。
自転車向けBluetoothスピーカーはハンドルにマウントでき、取り回しが利きやすいのも特徴です。防水タイプや電池持ちが良いものなど、長距離走行に適したモデルも販売されています。自転車の使用用途に応じて、最適なモデルを選択してください。
使用する際は音量を適切に調節し、周囲の人への配慮を怠らないようにしましょう。
スピーカー内蔵ヘルメットを着用する
自転車運転中のヘルメット着用が義務化したため、スピーカー内蔵ヘルメットが注目されています。耳を塞がず安全に音楽を楽しめるので、一石二鳥の方法です。Bluetooth接続でスマホと簡単にペアリングできるため、取り回しが良い点も魅力です。
スピーカー内蔵ヘルメットにはさまざまな機能が搭載されており、モデルによってはヘルメット単体で以下の機能が利用できます。
- 同型のヘルメット同士での通話
- 同じ通信規格のインカムとの通話
- ラジオの視聴
スピーカー内蔵ヘルメットはサイクリングを楽しむ人にとって最適なアイテムです。音楽やラジオ、会話を楽しみながら安全に自転車走行ができます。全体的に価格帯は高めなので、予算に合ったものを選びましょう。
自転車運転中のイヤホン使用のよくある質問
自転車運転中のイヤホン使用に関してよくある質問と回答を3つ紹介します。疑問点があれば参考にしてください。
- 片耳イヤホンは許可されている?
- 低音量でイヤホンを使えば大丈夫?
- 骨伝導イヤホンなら運転中に使っても大丈夫?
片耳イヤホンは許可されている?
片耳イヤホンの使用について、道路交通法で明確な規則はありません。ただし全国一律で使用が許可されているわけではなく、都道府県によって異なるので注意が必要です。使用が許可されているかは、お住まいの都道府県の法令を確認してください。
片耳イヤホンであっても周囲の音が聞こえにくくなり、運転に悪影響を及ぼす危険性があります。安全第一で自転車を運転する際は、片耳イヤホンの使用は控えてください。
低音量でイヤホンを使えば大丈夫?
低音量でイヤホンを使用していても周囲の音は聞こえにくくなり、十分に安全性が保たれているとはいえません。ノイズキャンセリング機能付きのイヤホンでは外部の音がまったく聞こえなくなるため、事故の危険性が高まります。音楽を聴く行為自体が集中力を削ぐ点も忘れてはいけません。
交通法規によっては音量に関係なくイヤホン使用が禁止されており、聴覚を遮る行為が道路交通法違反とみなされます。法律遵守の観点からもイヤホンは慎重に使用してください。
聴覚への影響は個人差があるため、自己判断だけで安全と決めつけるのは危険です。安全運転に努めるならば、イヤホンの使用は避けるべきです。
骨伝導イヤホンなら運転中に使っても安全?
骨伝導イヤホンは耳の穴を塞がずに使用できるので、周囲の音を聞きながら音楽を楽しめます。両耳あるいは片耳イヤホンと比較しても、安全性に優れています。しかし、いかなるイヤホンでも音楽を聴きながらの運転は集中力を削ぐ点は忘れないようにしましょう。
イヤホンに関する取り決めがなくとも、他者の交通を妨げた場合は違反を取られる可能性があります。骨伝導イヤホンを使用する際でも、音量を控えめにするとともに交通状況に十分注意し、安全運転を心がけてください。
まとめ
自転車でのイヤホン使用は、道路交通法では明確な取り決めはありません。ただし安全上の問題が多く、状況次第では刑事罰や民事事件の対象になります。安全運転に努めるには、イヤホンの種類に関係なく使用は控えるべきです。
骨伝導イヤホンやスピーカー内蔵ヘルメットは相対的に安全とされますが、過信せずに周囲への警戒を十分に行いましょう。安全性を最重視する場合はスマホ内蔵スピーカーやBluetoothスピーカーなど、頭部に装着しない再生用機器がおすすめです。
道路交通法や法令を遵守し、安全に音楽を楽しみながら自転車を運転しましょう。
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